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高齢者の栄養管理において、体重や必要エネルギー量の把握はとても重要です。低栄養やそのリスクを見逃さないため、また個々の患者さんの状態に応じたケアを行うためにも、正しい手法を知り、適切な数値を把握しておかなければなりません。
ただし、寝たきりの患者さんでは、体重計を用いた測定が難しいことも少なくありません。そのような場合は、上腕周囲長や下腿周囲長などをもとに筋肉量を把握し、膝高の計測値によって推定体重を求めるなどの方法を用いる必要があります。
このコンテンツでは、栄養管理の場面でよく使われる計算法や測定法を取り上げ、その方法を具体的に解説します。
宮澤 靖
2022年5月現在
1. 必要エネルギー量の求め方 ハリス・ベネディクトの式を用いた方法
必要エネルギー量（TEE：Total Energy Expenditure）は、1日に必要な全エネルギー消費量のことをいいます。個々の患者さんに応じた栄養処方を行うためにTEEの算定が必要です。TEEは、ハリス・ベネディクトの式から求めた基礎エネルギー消費量（BEE：Basal Energy Expenditure）を用いて推計することができます。
この動画では、TEEの求め方としてハリス・ベネディクトの式を用いた方法を詳しく解説します。特に臨床で悩むことが多いと思われる活動係数や損傷係数について、例題を交えながら基本的な考え方もご紹介します。また、ハリス・ベネディクト式の注意点についても先行研究をふまえてお話しします。
寝たきりの患者さんなどで、体重測定が難しい場合には、上腕周囲長（AC：Arm Circumference）や上腕三頭筋部皮下脂肪厚（TSF：Triceps Skinfold）を測定し、筋肉量や皮下脂肪量の把握に努めます。
この動画では、身体計測法とは何か、またACとTSF測定の基点となる上腕骨の中点の定め方、その際にポイントとなる肩峰点の見つけ方について解説します。
【動画の内容に関しまして】
この動画では「日本人の新身体計測基準値」(JARD2001)において使用された「インサーテープ」と「アディポメーター」を用いて、測定の方法をご紹介しています。
これらが無い場合は、上腕周囲長測定メジャーや皮下脂肪厚測定器でも同様に測定が可能です。
上腕周囲長（AC）の測定値からは筋たんぱくの消耗の程度を把握することができます。
ACは上腕骨の中点を基点に測定します（▶▶中点の測定方法は動画2参照）。この動画では、専用のメジャーテープを用いた測定時のコツをご紹介します。
【動画の内容に関しまして】
この動画では「日本人の新身体計測基準値」(JARD2001)において使用された「インサーテープ」と「アディポメーター」を用いて、測定の方法をご紹介しています。
これらが無い場合は、上腕周囲長測定メジャーや皮下脂肪厚測定器でも同様に測定が可能です。
上腕三頭筋部皮下脂肪厚（TSF）の測定値からはエネルギーの蓄積率の変化を評価することができます。
TSFは上腕骨の中点を基点に測定します（▶▶中点の測定方法は動画2参照）。この動画では、TSFの測定方法とともに、測定するときのポイントとなる皮膚のつまみ方や測定器具の入れ方を解説します。
【動画の内容に関しまして】
この動画では「日本人の新身体計測基準値」(JARD2001)において使用された「インサーテープ」と「アディポメーター」を用いて、測定の方法をご紹介しています。
これらが無い場合は、上腕周囲長測定メジャーや皮下脂肪厚測定器でも同様に測定が可能です。
下腿周囲長は四肢骨格筋量とよく相関することが知られています。サルコペニアを判定するための骨格筋量測定法の代替法としても広く普及しています。
下腿周囲長の測定は、原則として左足（片麻痺がある場合は非麻痺側）で計測します。測定する姿勢は座位、または立位でもよいです。この動画では、寝たきりの患者さんを想定し、臥床したままで行う下腿周囲長の測定方法について解説します。
6.寝たきりの高齢者の身長・体重予測 宮澤式Knee-Height法
寝たきりの患者さんでは、立位姿勢がとれないため、臥床状態で身長と体重を予測します。その際、ポイントとなるのは脛骨長です。
この動画では、身長と体重の予測について、膝高測定値を用いた方法をご紹介します。さらに、膝高の計測方法についても解説します。膝高の計測では膝関節と足関節を直角（90°）に曲げていただくことが大切です。可能であれば三角定規を使って角度を確認すると誤差が小さくなります。
【動画の内容に関しまして】
この動画では「ニーハイキャリパー」用いて、測定の方法をご紹介しています。
「ニーハイキャリパー」が無い場合は、膝高測定器やメジャー等でも測定が可能です。
2023年03月公開
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