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病院・⾼齢者施設や在宅において、褥瘡患者をみるときには、創の的確な評価をもとに治療・ケアを進めていかなければなりません。チームでかかわるそれぞれの専⾨職が「DESIGN-R® 2020」という共通のツールを⽤いて正しい創のアセスメントを進めていくことは、患者ケアの均質化を保証するとともに、質の⾼いケア提供につながります。
このコンテンツでは、まず前半2つの動画でDESIGN-R® 2020をつける意味と、その概要について触れたうえで、後半ではDESIGN-R® 2020の7つの項目（深さ：D、滲出液：E、⼤きさ：S、炎症/感染：I、⾁芽組織：G、壊死組織：N、ポケット：P）それぞれについて、つけ方の基本からポイント、留意点を解説していきます。評価の際に迷いがちな部分の見分け方についても、わかりやすく補足しました。また、各項目の解説動画の最後には、症例写真を提示したうえで、その項目を何点と判断するか、その判断基準はどこかを解説するコーナーも設けておりますので、ぜひ動画をご覧の皆さんも一緒に考えてみてください。
この講義動画をさまざまな場で活⽤いただき、アセスメント⼒の向上に役⽴てていただくことを願っています。
1. DESIGN-R® 2020をつける意味
2. DESIGN-R® 2020 変わったこととつけ方の基本
3. 深さ（Depth）のつけ方
4. 滲出液（Exudate）のつけ方
5. 大きさ（Size）のつけ方
6. 炎症/感染（Inflammation/Infection）のつけ方
7. 肉芽組織（Granulation）のつけ方
8. 壊死組織（Necrotic tissue）のつけ方
9. ポケット（Pocket）のつけ方
褥瘡状態の評価には「DESIGN-R® 2020」が用いられます。褥瘡の適切なアセスメントとケアは、入院患者、在宅療養者を問わず欠かせないものです。特に在宅のようにさまざまな職種がかかわる場では、すべての専門職がDESIGN-R® 2020を共通言語として活用することが必要なのです。看護師がDESIGN-R® 2020をつけることの意味を確認しておきましょう。
「DESIGN-R®」が「DESIGN-R® 2020」へと改訂された際に大きく変わったのは、次の2項目です。1つは、「深さ」の項⽬に「深部損傷褥瘡（DTI）疑い」が追加されたこと。もう1つは、「炎症/感染」の項⽬に「臨界的定着疑い」が加わったことです。表記方法はこれまでと変わりません。各項目のつけ方の基本について、まずは概要を解説します。
「深さ」のつけ⽅の基本は、創の最も深い部分で評価することです。d0からD5までの見分け方のポイントをご紹介します。さらに、DESIGN-R® 2020から新しく加わった「深部損傷褥瘡（DTI）疑い」の見かたについても詳しく解説します。
「滲出液」は、ドレッシング材、あるいはガーゼに付着している量で判定します。交換した際のガーゼおよびドレッシング材に付着している滲出液の量と、交換までに経過した⽇数を確認し、評価します。e0からE6までの見分け方のポイントをご紹介します。
「⼤きさ」を測る際は、創の中で最も⻑い部分をまず探し、その部位に直交する最⼤径を探し、双⽅を掛け合わせます。「持続する発赤」の範囲も含めて測定すること、毎回同一体位で測定すること、ポケット部は測定せずに表面から見える皮膚損傷を測定することに留意しましょう。サイズの測り方と観察のポイントをご紹介します。
「炎症/感染」のつけ⽅では、局所の炎症徴候（創周囲の発赤・腫脹・熱感）のある・なし、感染徴候（炎症徴候に排膿。悪臭を伴う）のある・なしが⽬安になります。i0からI9までの見分け方のポイントと、DESIGN-R®2020から新しく加わった「臨界的定着疑い」の見かたについて、詳しく解説します。
「肉芽組織」は、創面の肉芽組織の量、具体的には、良性の肉芽組織が創面に占める割合から判断します。評価の際、良性肉芽と不良肉芽の判断に迷うこともあると思います。これらの見分け方のポイントと合わせて、g0からG6までのつけ方をご紹介します。
「壊死組織」はその柔らかさで判断します。壊死組織は混在しているときが多いですが、その場合は、範囲が多い像をもって判断します。n0からN6までの見分け方のポイントを紹介します。
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「ポケット」は、褥瘡潰瘍⾯とポケットを含めたサイズから、開いている褥瘡のサイズを引くことで、ポケットのサイズを計測します。ポケットの広がりを計測する際は、組織の密着部を傷つけないように留意する必要があります。サイズの測り方と観察のポイントをご紹介します。
田中 マキ子
栁井 幸恵
2023年12月現在
2024年04月公開
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